会津より
四六判/上製/本文302頁
装丁=高林昭太
発行日:2013/12/25
定価:2400円+税
ISBN978-4-88032-412-8
渡部伸一郎著
渡部伸一郎(わたなべ・しんいちろう)プロフィール
1943年、東京生まれ。新宿高校、東京大学法学部卒。JSR株式会社勤務、2001年退社。著作に、句集に『蝶』(自家版、1993年)『亜大陸』(深夜叢書杜、1999年)、エッセイ集に『わが父テッポー』(深夜叢書杜、2004年)『遠くへ』(深夜叢書杜、2011年)がある。
オビ
迫真の三代記
戊辰戦争後の会津に育った祖父は、海を目指して外航船の船長となった。
太平洋戦争で息子二人を国に捧げ、その後四半世紀の清貧を暮らしぬく。
植民地経営を夢見た父は、シベリアに抑留されるも強制収容所から生還し、
戦後の昭和を生きる。そして平成21年、認知症を患った母が逝った――。
会津から世田谷へ、
130年に及ぶ父祖たちの軌跡を探索した、
ある〈家族〉の近現代史。
目次
第一部 会津より
昭和時代
三代
知直さんの手記・一
河原船長
木下勝全
会いしことなき叔父・晴男
昭和二〇年五月二五日・炎上
俊和さん
届かなかった手紙
知直さんの手記・二
第二部 松原
武蔵野
松原
松原の家のこと
むし
カミキリムシ
動物基準
育ち方
戦争について
高度成長
小国への道
第三部 マサさん
二〇〇八年三月一八日――哲男さん七回忌・会津墓参
二〇一一年六月九日――マサさん三回忌
哲男さん・環太平洋のノスタルジア
マサさん
調書
マサさんにささげるオード
無明
マサさんの絶筆・絶句
マサさんの最期 二〇一〇年
五月二六日――福生
六月三日――酸素マスク
六月六日――柳瀬川
六月八日・九日――その前夜・死
六月一六日――葬儀
六月二三日――ガビチョウとジャコウアゲハ
六月二六日――福生よりのダンボール