句集 肥後守(ひごのかみ)
四六判上製カバー装
発行日:2024/6/2
本文150頁
装幀=高林昭太
定価:3000円+税
ISBN978-4-88032-504-0
行方克巳著
行方克巳(なめかた・かつみ)プロフィール
1944年、千葉県生まれ。慶應義塾大学文学部在学中より清崎敏郎に師事。1971年より
慶應義塾中等部の国語教諭を務める。
1996年、西村和子とともに「知音」創刊、代表。
句集に『無言劇』(1984年・東京美術)、『知音』(1987年・卯辰山文庫、第11回俳人協会
新人賞受賞)、『昆虫記』(1998年・角川書店)、『祭』(2004年・角川書店)、『阿修羅』(2009
年・角川学芸出版)、『地球ひとつぶ』(2011年・ふらんす堂)、『素数』(2015年・角川書
店)、『晩緑』(2019年・朔出版)、『行方克巳季寄せ』(2023年・ふらんす堂)。
ほかに、第一句集以前の句作や評論をまとめた『漂流記』(2009年・ふらんす堂)。
エッセイ集『世界みちくさ紀行』(2015年・深夜叢書社)、共著に『名句鑑賞読本 茜の巻』
『名句鑑賞読本 藍の巻』(ともに2005年・角川学芸出版)がある。
あとがき
私にとって俳句とは、「季題発想による一行のものがたり」と考えるようになった。
ずいぶん前から、「深夜叢書」から句集を出すことを決めていたのだが、齋藤愼爾が亡くなってから出版するとは思ってもみなかった。句集の中に、彼を悼む句があるなんて、なんともさびしい限りである。
八十路人になった今、この十年で何が出来るだろうかなどと考え込んでしまう。
いわゆる終活の一として、『行方克巳季寄せ』を作ったが、あとどれほどの存念を残せるか——―。
『肥後守』は、『晩緑』につぐ私の第九句集になる。題名は、
肥後守蛇の匂ひのこびりつき
からとった。
私の裡なる「少年A」の物語である。