句集 齟齬

句集齟齬

四六判上製カバー装
発行日:2020/10/23
本文172頁
装幀:高林昭太
定価:2700円+税
ISBN978-4-88032-462-3

原 満三寿著

原 満三寿(はら・まさじ)プロフィール

1940年、北海道夕張生まれ。埼玉県川口市在住。句集・詩集・論考ほか著作多数。
【俳句関係】「海程」「炎帝」「ゴリラ」「DA句会」を経て、無所属。
  句集=『日本塵』(青娥書房)
     『流体めぐり』(深夜叢書社、以下同)『ひとりのデュオ』『いちまいの皮膚
     のいろはに』『風の象』
     第6句集『風の図譜』で第12回詩歌文学賞(「深夜叢書ニュース」参照)
  俳論=『いまどきの俳句』(沖積舎)
【詩関係】「あいなめ」(第二次)「騒」を経て、無所属。
  詩集=『魚族の前に』(蒼龍社)
     『かわたれの彼は誰』(青娥書房、右も同)『海馬村巡礼譚』
     『臭人臭木』(思潮社、以下同)『タンの譚の舌の嘆の潭』『水の穴』
     『白骨を生きる』(深夜叢書社)
  未刊詩集=『続・海馬村巡礼譚』『四季の感情』
【金子光晴著作関係】
  評伝=『評伝 金子光晴』(北溟社、第2回山本健吉文学賞)
  書誌=『金子光晴』(日外アソシエーツ)
  編著=『新潮文学アルバム45 金子光晴』(新潮社)
  資料=「原満三寿蒐集 金子光晴コレクション」(神奈川近代文学館蔵)

オビ

万緑や還らぬ馬が駆けぬけり
山川草木悉皆成仏――どよめく生命の諸相をあざやかに掬い
「還らぬものを還さんと」する魂鎮めの第七句集。
遊行する精神、〈俳諧自由〉の極致。

あとがき(抄)

 このたびの『齟齬』という題には格別ふかい意図はありません。昨年、書家の石川九楊氏の『石川九楊自伝図録 わが書を語る』(左右社)を読み進めていると「齟齬」という語にいきあたって、その四角張った頑固そうな字面は、わが面構えに似ているかと思いましたね。そしてその脱臼したような意味合いの面白さにも惹かれたのです。字統によれば、擬声的な語といいます。
 氏も「「齟齬」という作品がぼくの八〇年代のデザイン的な展開の発端となりました」と言っておられるところから、私と共感するところがあったのではと愚考します。
 氏の本に興味をもったのは、わが家の男兄弟はみな悪筆で「悪筆も莫逆の友」なんていいつつも、コンプレックスになっていたからのようです。私も氏のように、「わが書を語る」なーんていちど言ってみたいものです。

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