白鳥句集

白鳥句集

四六判変形・仮フランス装
本文100頁
装丁=高林昭太
発行日:2016/7/27
定価:2000円+税
ISBN978-4-88032-431-9

松下 カロ著

松下 カロ(まつした・かろ)プロフィール

1954年9月、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業(ロシア美術専攻)。
現代俳句協会会員。
俳句評論「象を見にゆく 言語としての津沢マサ子論」で2012年、第32回現代俳句評論賞受賞。評論集に『女神たち 神馬たち 少女たち』(2016年、深夜叢書社)がある。

オビ(表)

白鳥に少年の腕阿修羅像
ただ一羽殘る白鳥チャップリン
白鳥や百年先もここは潟か
すきとほるべし白髮も白鳥も
白鳥やこの世の隅に住所錄

以上は『白鳥句集』の私のとりわけ好きな句。興福寺の阿修羅像、チャップリン、そしてヤマトタケル、チャイコフスキー、若山牧水……。彼らはそれぞれに白鳥だった。そして今、松下カロという白鳥が俳句シーンに降り立った。――――坪内稔典

あとがき(抜粋)

いつの頃からか、身ほとりを白鳥が飛びまわるようになりました。
ふと目を覚ますと、白鳥が一羽、私の胸に頸をもたせかけて眠っていたことも、無数の白鳥が天井を飛びかっていたこともありました。街を歩く時、人を待つ時、白鳥は音もなく傍らに降り、何か囁きます。それを書き止めておきたい。私は白鳥と手を携え、未見の言葉を捜すことに熱中しました。やがて紙数が埋まり、一冊の本となりました。(後略)

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