詩集 白骨を生きる

詩集白骨を生きる

A5変形判/上製/本文156頁
装丁=高林昭太
発行日:2014/4/10
定価:3000円+税
ISBN978-4-88032-415-9

原 満三寿著

原 満三寿(はら・まさじ)プロフィール

1940年、北海道夕張市生まれ。埼玉県川口市在住。所属・著作・受賞歴は次の通り。
【詩関係】 第二次「あいなめ」を経て、現在「騒」同人。
   詩集『魚族の前に』(蒼龍社)
   『かわたれの彼は誰』(青娥書房)
   『海馬村巡礼譚』(青娥書房)
   『続・海馬村巡礼譚』(未刊詩集)
   『臭人臭木』(思潮社)
   『タンの譚の舌の嘆の潭』(思潮社)
   『水の穴』(思潮社)
【俳句関係】「海程」「炎帝」「ゴリラ」「DA句会」を経て現在無所属。
   句集『日本塵』(青娥書房)
   俳論『いまどきの俳句』(沖積舎)
【金子光晴関係】「金子光晴の会」会員(事務局)。
   評伝『評伝 金子光晴』(北冥社/第二回山本健吉文学賞)
   書誌『金子光晴』(日外アソシエーツ)
   編著『新潮文学アルバム45 金子光晴』(新潮社)
   『原満三寿蒐集 金子光晴コレクション』(神奈川近代文学館蔵)

オビ

大震災によって死んだ人々の魂はどこにあるのか
だれもが白骨と化した世界に幻出する供花の詩


               ――かれらは死んではいない
     なぜならかれらはわたしのなかで生きているからだ
               ――わたしは生きてはいない
  なぜならわたしはかれらのなかで死んでいるだろうからだ

「あとがき」より(抜粋)

「白骨を生きる」篇は、大震災で不帰となった多くの人たちが残したであろう思い(木片)をわがこと(詩片)となして詩集に焚き、ささやかな供養としたものです。
 が、それだけでなく、東日本大震災そして原発の崩壊からうけた衝撃は、わたしの生死観を根柢から問うものがあり、それを探ってみようとしたものです。
「夢幻を生きる」篇は、齢が増すほどに舞いあがってくる幻想を譚詩という詩型で綴ったものです。
 人の人生は夢幻にも喩えられます。人の心髄を言い尽したと思われている般若心経はなかなか難解なお経ですが、二六六文字中〈無〉の二十一文字は〈夢〉に、〈空〉の七文字は〈幻〉に置き換えて読んでみますと、にわかに我がことに近づいてきます。ですから、わたしの夢幻には老狂だけではない大震災、原発崩壊が色濃く投影されていることと思われます。

目次

白骨を生きる
  白骨の海
  白骨の闇
  白骨を生きた人びと
  白骨のあなた
  白骨の山手線
  花めぐり
  相聞の海
  海の道から山の道へ
  無明の塊
  津波幻想
  その坂は
  太陽の糞
  怪鳥いつまで
夢幻を生きる
  われもまた 夢十夜
  毛虫の旅
  大きな耳のおとこ
  野ざらし
  影 男
  こんな雨の夜は
  影法師
  風 声
  いろは四十七詩

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